予想外の生き方

   「コンピュータの世界では取り除かれるべきバグやエラーというものが、
    身体という生命的な次元においては、予想もしなかった価値を生む。
    物理的な不都合によって、自分を自分たらしめる創造のきっかけが
    生まれる。」


   『未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために』ドミニク・チェン




こんにちは。12月も一週間経ちました。
今日12月7日から、わたしは服薬なしで生活することになりました。
正確には、精神科の薬は注射のみになり、あと
眼科の目薬は1日1回続けますが、
21年間続いた飲み薬はなくなりました。
上の言葉は最近読んでいる本から引用しました。
わたしは長い間、バグとエラーに戦いながら共存し
そしてここまできました。
今、新しい生活になり
改めてこの言葉について考えています。



上記の言葉が本当なら
わたしにとっての価値は創造性だったかもしれません。
先月末に、この1年間書き続けていた
新作小説を書き上げました。
まだタイトルや内容は明かせませんが、
Nと仮に呼んでおきます。
Nはここ最近の社会状況も踏まえた
家族や人との関わり方をフィクションで書きました。
400字詰め原稿用紙で272枚となり
自己最長の小説となりました。
今はごく数人に読んでもらいながら
推敲して原稿をブラッシュアップして
来年ある賞に応募するつもりです。


小説を書き上げて、
体調が想像以上に回復して
正直今は解放感だけでなく
本当にこれから続く生活が
予想できなくて戸惑っている自分もいます。
主治医からは
精神疾患については
仕事もできて普通の生活ができる
寛解状態を目指しましょうと言われました。
今年初めには想像していなかったので
びっくりしたし、
また誰にとっても
予想外の展開なのかもしれません。



物理的な不都合が少しづつ解消されて、
じゃあわたし自身の力や書くことや
もっと言えば寿命とか
どうなるのか今は見えませんが、
マイナスのことはないのかなと捉えています。
もしかしたら今後書く小説や文章も
また違った方向に向かうのかもしれません。
たぶん、
今まで諦めていた生き方や、
手が届かなかった生活の仕方が
実現に向かっていくこともありえます。
そんな現実に直面して思うのは、
わたし自身が受け止められるものの範囲が
一気に広がったことによる
途方もない希望と、
過去に対する労いでした。



今年もあと3週間ちょっとですが、
後戻りしない覚悟と
未来を自分で作り出していく意欲を
自分なりに動かしていきたいです。
生きていくと思いもよらない
価値や宝物が得られますね。
本当に日々感謝しています。
あまり油断せず、
心身の元気さを保ちながら、
新しい生き方を作っていこうと思います。
いろいろありがとうございました。
これからも真摯にやっていきます。
みなさんもお元気で。



Sky in every mind

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